はじめに
長崎県の雲仙温泉の帰り、千々石の棚田を見学。陽にきらめく稲穂、風が運ぶ土と海の香り。実りは偶然ではなく、自然と人が重ねた時間の結晶…その手触りを記します。

◇ 背景と由来:神嘗祭と稲穂の意味
神嘗祭(10月17日)は、その年の新穀を天照大御神に奉る日本の大祭。新米を神前に捧げる所作は、自然の恵みを「当たり前」とせず、感謝と畏れをもって受けとめる心の型です。稲穂は実りの象徴であると同時に、人と自然が結び合う“ムスビ”の記憶でもあります。
雲仙の山あいに広がる千々石の棚田は、急斜面と水の循環を活かした先人の知恵の結晶。田の形、畦の高さ、水の深さ、風向きがつくる一期一会の景色でした。
◇ 雲仙の帰り道…その棚田の景観
雲仙の帰り道、峠を下る途上、金色に染まる千々石の棚田が眼下に広がりました。
段々に連なる稲田は、大地が折り重ねたアート。
谷あいの集落には、昔ながらの瓦屋根の家々が寄り添い、背後には深緑の杉林が屏風のようにそびえている。
その対比が、自然と人の営みの調和をいっそう際立たせていました。
そこには派手な演出も人工の彩りもなく、ただ淡々と続いてきた暮らしのリズムが息づいていた…

◇ 学びと実践:明日からできる3つのアクション
- 『いただきます』の継承
最初の一口を“合掌”から。 産地・作り手・自然への「ありがとう」を習慣化に。 - 小さな循環をつくる
家庭で米ぬかを活かした堆肥化やベランダ菜園から挑戦。食と土を結びなおすキッカケに。 - 『ムスビ』で未来につなぐ。
地元の抜穂祭や直売所、環境美化のボランティアへ。あなたの小さな行いが希望ある未来を紡ぐ。
